Restaurant Ushimaru

銚子駅から1時間に1本の鈍行に乗ってまで来たここ「Ushimaru」さん。
食べログ4.27(2023/9/13現在)、イタリアンEAST100名店、食べログawardブロンズ受賞。ゴエミヨ3トック(2022、2023)。
ミシュランに見つかっていないところが好感を持てます(笑)。
予約は現在「トレタ」からが便利です。
今年1月5日〜2月末まで一時休業して大規模リニューアル工事。
右に見えるグレーっぽい色の屋根の建物が増設され、かつての玄関であったところが羽目殺しになり丸い窓が見えます。

その窓があるところのテーブルに案内されたのですが、座った位置からこの窓を覗くとちょうど空だけが見えるのです。
素敵な夜空を眺めながらの食事は最高でありました。



新しくできた建物はレセプションスペースになっておりました。
とても暑い夏の日でしたので冷たい麦茶がとてもうれしい。

贅沢な吹き抜け。

こちらのカウンターの左に見えるガラス扉がお時間になると全開に開けてお出迎え。
なかなか素敵なサーヴィスだと思います。

キッチンはオープンではなく調理の模様が眺められるということはありませんが、後述しますがそれを補って余りあるプレゼンテーションがございます。

ディナーコース \15,000(税サ込)のみの設定です。ちなみに昼夜このコース1本です。

メニューは素材のみの記載。
ちなみに本当にまったく順番通りには来ません(笑)
九十九里、一ノ宮、多古町、山武など地元の地名が並びます。
そうここ「Ushimaru」さんは「千産千消」を謳う千葉の食材をふんだんに愉しめるお店なのです。




ドリンクはアルコールはもちろんノンアルコールも愉しめそうで、近くに住んでいれば車でランチに来ても良さそうです。
まぁ銚子から電車で来てまで呑む気満々のヤツが何を言ってるんだという話ですが💦




勿論アルコールペアリング\,12800(税サ込)をお願いしましたがいつもの別腹のビール。
すぐ近くの寒菊銘醸さんの九十九里オーシャンビールのピルスナー。
徹頭徹尾、千産千消です。
しかもこちらのビールは大阪から来たというと「遠くから来ていただいたので僕からのサービスです!」と来た。
なんてこった最初からサイコウな雰囲気漂ってるじゃない♪

KUJUKURI OCEAN 九十九里オーシャンビール 寒菊銘醸

先に申しましたプレゼンテーション。
このように食材をドンとプレゼンしてくれますし、Wi-fi回線どころかモバイルバッテリーまで貸出OKで、インスタでもなんでもどんどん宣伝してくれやがれなスタンスがステキ。

◆一ノ宮産岩ガキ
先のドカンとデカい岩牡蠣を藁焼きに。
自家栽培のわかめ菜が添えられて口中が海の幸たっぷり感。

●Philippe Fourrier Blanc de Noir Carte d'Or

お次のプレゼンは切り出される前の腿状態の生ハム。
こちらも千葉の銘柄豚「ダイヤモンドポーク」。豪快です。

◆生ハムとカボチャ
ヒゲソリダイの炭火焼きが底に。コリンキーを煮たものとフレッシュなもの食べ比べ。ダイヤモンドポークの生ハム。
これがすごく複雑に絡み合う味といろんな食感で一緒に合わさるとつまり美味しい。
こういう料理を食べるとやはり料理人さんってスゴイなぁと感心します。

●Sanchez Romate Marismeno Fino

フォカッチャさえプレゼン。
切り分ける前のドカーンとまるごとフォカッチャ。

モチロン切り分ける様子もプレゼン。
ふと思ったんですけどこれは大規模リフォームしたことによってテーブル間など間取りにとても余裕があるので可能になった気もします。

◆自家製のフォカッチャ
フワッフワでとっても美味しい。

◆蛸と玉蜀黍
蛸の吸盤は蒸して足は焼き、蛸節なるものと玉蜀黍のピューレとパウダーを掛け、オクラの種のみをまぶして。
とても面白い一皿で、蛸史上サイコウに美味しかったと言っても過言ではないでしょう。今までよりギア1つ上げてイタリアンを好きになった瞬間です。

●醸し甲州2022
蛸には蛸でとこちらのワインを。こういうのも面白いですね。

お次のプレゼンは多古町の天然スッポン。

◆多古町天然スッポン
スッポンをどないかこないかして自家菜園の野菜を。
スッポンと言われなければわからないクセのなさ。

●Rocche dell’Annunziata Barolo

◆九十九里産カサゴ
スッポンとカサゴのスープ。
カサゴとスッポンの旨味が凝縮されながらスッキリとした味わいのスープ。カサゴのポーションはドカンと大きくかなり食べ応えがあります。

●信州たかやまワイナリー ソーヴィニヨン・ブラン 2021

◆九十九里産イセエビ
イセエビの出汁で作ったリゾットとイセエビの炭火焼きを合わせて。
伊勢海老の脚の部分まで食べたのは初めてかもしれません。
それはさておき伊勢海老の旨味が凝縮されたリゾットと伊勢海老の炭火焼が素晴らしいマリアージュ。もう少し伊勢海老のポーションが大きいと嬉しいところですがそれは贅沢というものかもしれません。

●寒菊 Ocean99 星海 -Starlight Sea-純米大吟醸
無濾過生原酒

お次は九十九里産のマコガレイ。
美味しそうなマコガレイなのですが水槽越しだとよくわかりませんね💦

◆九十九里産マコガレイ
マコガレイのハラミのカルパッチョ。ジャージー牛の白センマイ、魚のソース、マコガレイの縁側と肝。
自分で書いてて何言ってるかわかんなくなってきましたが💦、すべて同じ色味に見えるように白センマイも入っているのに全部同じ魚から出た部位と勘違いしてしまうようなナイスバランス。これはいちばん酒が進んだ一品でした。

●Vecchie Vigne Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore

◆九十九里産天然ウナギのオルゾット
リゾットの、米の代わりに大麦を使うのがオルゾットですが、コチラではもち麦を使って。
ツルムラサキ、山山葵がいいアクセント。
鰻まで九十九里産とはおみそれしました。しかも天然物とはどこで獲れるのだろう?

●木戸泉 Afruge Ma cherie 2019 純米酒 シェリー樽熟成
茶目っ気タップリにブラインドテストを挑まれたこのお酒。
ドストレートに「シェリー酒」とか言ってしまって赤面(笑)
思う壺な解答だったろうなぁ💦 日本酒2つ目来るとは思わないじゃないスかww

九十九里の自家製の塩までプレゼン。

モチロン食材もプレゼン。
山武産のジャージー牛とサルシッチャ。

◆山武産ジャージー牛 サーロイン スネ❌ → サルシッチャ(去勢肥育24ヶ月 熟成45日)
万願寺唐辛子の炭火焼きを添えて柚子胡椒ソースで。先の自家製塩も添えて。
メニューに表記の「スネ」は間違いでサルシッチャですと。美味しかったし食感の違いも味わえてサルシッチャで正解だと思います☺

●Chateau Roland La Garde Tradition 2015
●Les Aphillanthes Caesar 2005
メインに合わせる赤を2本プレゼンされ、片方を選んだのですが「お客様よく呑んでくださりますのでせっかくですから」と結局もう一方も注いで戴きました。。
なんだか本当にここのサーヴィスの男性、とても気前が良くて勧め上手でしかも非常に愉しいトークで素晴らしいの。次の日に訪れた「オトワレストラン」の音羽 創氏が「ウシマル行って呑まないのは拷問(笑)」とおしゃってたぐらい、素晴らしいサーヴィス。

◆お口直し
巨峰のシャーベットに 食用花トレビスを乗せて。こんなに直されるお口直し初めて。

◆地粉のPASTA
アマトリチャーナ。
地粉とはこれも地元の小麦粉を使用とのこと。自家製のパスタはやっぱり美味い!最近パスタが本当に美味しいのです。

●Catherine et Claude Maréchal Pommard La Chanière

◆山武牛乳 Dolce
アイスクリームとヨーグルト
シンプルに美味しい。これでもかというほど牛乳で、牛乳自体も飲んでみたい衝動にかられました。

◆茶菓子
カンノーリ リコッタチーズ 梅ジャム ブルーベリー ニッキ
イタリア風おたべのような感じに思えました。
最後まで面白いなぁ。

◆食後のお飲み物
コーヒーで。
Simple is best.

何か大阪から来たというとやたらと驚かれ、記念日でもないので「Welcome to Chiba!」。
関東において大阪人は珍しくないが大阪から来る人はこの後の北関東においてもかなり珍しいようで海外スターのように歓迎されました。もう少し行けよ、大阪人。


































サーヴィスの彼が非常に愉快で気前がよいので呑みすぎたのですがプラスチャージまったく無し。
こんなに酒呑みに優しい店があるだろうか。
最後までホスピタリティに溢れ、帰りのタクシーを呼んでも次の電車まで時間があるとタクシーを待たせてでも店内にいさせてくれる心遣い。(運転手さんにはコーヒーを差し入れていた☺)。
別掲のようにとにかく交通アクセスがネックになる当店ですが、それを越えてでもとにかく呑める人は呑むことをオススメします。

駅で念のために時刻表の写真を撮っておきましたがお店においてもこんなものまで準備戴いています。
何から何まで至れり尽くせり。
一つだけ欲を言うと、次のリニューアルでは更に大規模に宿泊施設を併設して完全なオーベルジュとして戴ければ・・・そうなると予約いよいよ取れなくなるか💦
冬に行った「Villa del nido」さんも同じようなローカルガストロノミーで旅感とホスピタリティに溢れるお店でしたがここウシマルさんはまた少し違った、とても陽気に呑ませて戴けるお店です。共通するのはシェフが非常にシャイ(笑)
しかしてこちらの打矢健シェフも非常に卓越した調理でごく控え目に言ってとっても素晴らしい。
そう、ここにもきっとまた来るのだ。宿泊施設ができた後か前かはわからないが。きっとできなくても我慢できずに来るのだろう。



ウシマルイタリアン / 松尾駅
夜総合点★★★★★ 5.0



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