スシコーヒー

大阪に於いて、少し前から注目の街、大阪市西区新町に2020年8月18日に颯爽と現れ、「津本式」の血抜きを店で行い、開店当初は\3,960のコースということで話題をかっさらった「スシコーヒー」さん。
開店して1年も経たないうちに関西のイケてる月刊情報誌「Meets Regional」さんに紹介され瞬く間に人気店となりました。
徐々に値上がりし、来店した2023年9月はコース\6,000。それでもまだずいぶん安いです。

なんともシンプルな店名ですが、内外装はじめ、わかりにくいかと店名はドストレートにとのこと。
金髪Tシャツアロハなどを着用する、現役芸人だという店主齋藤二郎氏とチャーミングな奥様のお二人で回されておりますが、芸人やる暇はないであろうと思うぐらいの人気店で予約困難であります。
ちなみに予約はネット予約のみであり、偶数月20日12:00に2ヶ月分のお席をネット予約で受付です。

スシコーヒー - 大阪府 - レストラン情報 - TableCheck
器にもこだわっておられるようで、作家物が並びます。
BGMはローファイ・ヒップホップで、魚の捌き方から握りまですべて独学で学んだという大将の美学が表現されています。

清潔な付け場。
出入りがツケ場の左右からできるようになっており導線が素晴らしく、夫婦お二人が軽やかに料理をご提供されます。
































メニューはこんな感じのコース+1ドリンク。
14:30~17:00、18:00~20:30と面白い2部制。もしかしたらライブやネタ合わせの時間の都合があるのかもしれません。

お酒のメニューはこんな感じ。
日本酒に関しては約20種がラインナップ。お値付けはほんの少しだけ高いですが許容範囲内。ここは大阪市内です。

●キリン ハートランド 小瓶 \560。
ビールは良心的なお値段です。

◆一品
トコブシとヤングコーンと蓴菜
高級食材を使わず、アイデアで勝負しているのはとても好きです。割と食感がマリアージュ。

●みむろ杉 特別純米 辛口 \1,160
蓴菜てことでなんとなく感覚でみむろ杉。
酒器も雰囲気ありますねぇ。
次のお料理にもとても合いました。

◆おつまみ
ベニズワイガニとムラサキウニ 土佐酢ジュレ
おっとここは贅沢食材、と言いつつベニズワイガニは案外廉価。ムラサキウニもギリギリ旬の最後だったのでお手軽に入手できたのかもしれません。
この価格のコースで提供できるのは大将の市場通いの賜物でしょう。

後に出てくる焼き物の焼き台を撮影していたらチャーミングな奥様が見切れてしまいました。まぁインスタに顔出ししてるしいいだろう(笑)
しかしてこの奥様の接客が(もちろん大将も)本当に可愛らしく素敵でかつ痒いところに手が届く感じで素晴らしい。
何がって酒が出てくるのが早い(笑)
そしてフロアすべてのお客様の様子を把握しながら出すぎないように気を付けておられる感じがひしひしと感じられました。とっても素敵。

◆お造り
長崎鰹 山掛け
鮪でなく鰹に山掛け。お店オープンしてすぐの、こういう工夫で値段を抑えながら美味しいものを提供しようとする姿勢、好きです。
金持ちが客について高級食材を要求しだすからどこも高くなっていくんですよね。安いからいいというワケではなく私はこういう工夫を愛している。

●飛鸞 BLACK JACK 極辛口 \1,180
昨年夏の旅で酒蔵を訪問した平戸の飛鸞さん。
なんかまたチャレンジングな酒造ってんな~ってことでコチラに。
見た目のゴツさに似合わず、優しい辛口。旨味をよく助けてくれる感じがしました。

◆焼き物
白甘鯛 みぞれ餡掛け
繊細な焼き物で私の大好物のグジ。先のお酒ともよく合いましたね。

◆巻き物(〆鯖サンド)
こちらのお店のシュペシャリテである鯖サンド。
〆鯖に沢庵マヨと大葉をトーストしたパンで〆鯖サンドに。
更に炙った海苔で更にサンド。邪道と言われればそうかもしれませんが美味ければいいのだ。

●鯖専用日本酒 サバデシュ \280
こんなもんいかないワケがない(笑)

◆茶碗蒸し

ブルーチーズの茶碗蒸し
あーこれも好きな味ですなぁ。酒吞みにとっては非常にけしからん案件です。

●飛露喜 特別純米 生詰 \1,180
安定の

◆ガリの代わりの和風ピクルス
こういうところまでチャレンジング。いいぞ!行っちゃえ齋藤!(笑)

さてここから握りに入ります。

◆剣先烏賊
まずシャリは2種の赤酢のブレンドとの由。
それに更に醤油で少し塩分は多めかもしれません。
シャリは江戸前にしては若干多めですが、価格帯を考えると割と若い方も多いのでニーズには合っているかもしれません。
ネタに対する仕事は、独学にしては頑張っていると思います。気の狂った(誉め言葉)超高級店の仕事は・・・(まぁアレは行きすぎだと思うが💦)そういうの好きなフーディーに任せるということで。そういう意味で十分に及第点というかかなり手は掛けている方だと思います。

◆金目鯛昆布〆
割と〆方は浅めかなぁ〆鯖といい。ここは好みであり、酢が苦手な方にはいいでしょう。

◆鮎
ありそでないですよね鮎。面白いチャレンジだと思います。ここで苦みが入るのは個人的に好き。

◆本鮪赤身
鮪の赤身はもう素材なので、やま幸至上主義者は来ない方がいいです。しかして十分に包丁の入れ方など研究されているのだと感じました。今後の伸びに期待します。

●寒菊 Ocean99 星海 -Starlight Sea- 無濾過生原酒 季節限定酒 \640(半合)
この夏行った千葉のUshimaruさんの本当に近くにある酒蔵で、Ushimaruさんでも呑んだ純米大吟醸です。

◆中トロ
これも赤身と同じ感想ですかね。

お冷はティファニーで。

◆ノドグロ
桜のチップで燻して
ちょっとこれは魚体が弱く感じました。燻し方というより素材によるものかと感じました。シャリ少な目ならもう少し良いバランスと感じたかもしれません。

◆車海老
うって変わって結構しっかり目のボディ。はちきれんばかりのわがままボディでした。

◆トロたく巻き
これは量のバランスがかなりネギトロに寄りすぎていてネギトロ巻きに沢庵のアクセントが少しという感じ。あとネギトロがトロトロすぎて少しシャリの主張とバランスが悪いかも。

◆汁物


これは何ということのない味噌汁。
まぁそりゃ全部チャレンジできないよなぁ。

◆岩手 無添加のムラサキウニ
なるほど岩手のムラサキウニですか。この日は9月頭だったので観光客が一気に来なくなった岩手がシーズン終わりに焦って投げ売りした疑惑ですね。というかおかげで美味しく戴けました。

◆煮穴子
これは・・・よくあるヤワヤワすぎて柔らかの向こう側の穴子ですねぇ。
さすがに持つのが困難なほど柔らかいのはあまり好みではありません。

◆カタラーナ
デザートはメニューには記載がないのですがどうやらカタラーナがお決まりのようです。結構キチンと美味しいぞ😋

◆ドリンク
エスプレッソを。
店名に「コーヒー」を謳うだけあって食後のドリンクはキャラメルラテやモカチーノ、コーヒーフロートやコーラフロートまで多種多彩。
普通にカフェメニューぐらいの種類があります。ここも面白いですね。
































なんとも明朗会計で昼から呑んで喰って¥11,000也。
これは非常に素晴らしい費用対効果で、なるほど若いカップルや若い女性ソロの方もいらっしゃいました。
ちょうど開店3周年を過ぎてすぐぐらいのタイミングでようやく訪問できましたが、これからの成長を見守りたいなぁという感想です。最近、他の有名店などにも行かれているようですのでそこでいろいろ学んでフィードバックを繰り返されるとより洗練されていくことと存じます。
特に、僕も好きな長浜の「京極寿司」さんに行かれて眞杉さんにいろいろ教えてもらったようなので、同じすし善門下の「寿し ひでたか」さんや「鮨 十兵衛」さんに更に知己を得ることができればまた一段と飛躍されるかもしれません。



長浜にあって地の素材に拘りながらも周辺や遠来の美味な素材も取り入れた、「湖北流江戸前鮨」

北の大地で出逢った卓越した「仕事」

またクリック合戦に勝てば是非また再訪させていただきたいと思います。





スシコーヒー寿司 / 西長堀駅桜川駅汐見橋駅
昼総合点★★★☆☆ 3.8




食べログ グルメブログランキング