Le progrès

大阪市北区堂島浜、サントリー本社すぐ近くのフレンチ「Le Progres(ル・プログレ)」さん。
シェフが長らくスーシェフを務めたという「Restaurant Varier」さんの川向うという至近距離での開店ですが、師匠の高井シェフも最初こそ右腕と頼んだ梅谷シェフを慰留したが、決意が固いと見るや、応援に回ったといいます。

ビルのこの部分だけファサードをしっかり変えてシックなフレンチの趣です。

外にメニューが置いてありました。
空席があれば当日でも食事させていただけそうです。サントリー社員の方、是非(笑)

梅谷 宜伸シェフはリーガロイヤルホテル、LA CLOCHE CHEF'S ROOM(既に閉店)などを経てRestaurant Varierさんでスーシェフを務められた後、当地にて2022年8月26日独立。
系列店のビストロ ヴァリエ(既に閉店)でサービスを務めた磯口武さんがソムリエとしてタッグを組みます。
そしてもう一人、若きスーシェフの3人態勢です。

設えはカジュアル。
肩肘張らずにリラックスして食事ができます。

カトラリーレストにも店名が。
拘りが感じられます。

厨房内もとても清潔で美しい。
シェフも盛んに洗い物などもしておられ、衛生意識が非常に高そうです。
美味しいお店の基本ですね。私調べでは美味しいお店は必ず厨房が清潔(町中華除く笑)

メニューは素材名で想像するタイプです。
ランチは6皿 \6,000円、7皿 \8,300の2種類のコース。
7皿 \8,300のコースをお願いしました。
ちなみに\6,000のコースだと「白子 菊芋 白菜」の一品減り、メインの黒毛和牛が薩摩ゆすのき豚になるようです。

ドリンクはワインが1杯\1,200程度の値付け。
モチロン、ワインペアリング(5種) \6,000をお願いしました。
ちなみに拘りのティーペアリングもあり、こちらはお茶の抽出にお時間を要する為、前日までの要予約で、定休日の次の日のランチは不可です。

●アサヒ 熟撰(小瓶) \880
ちょっと欲しくなってペアリングとは別に戴きました。

◆山鳥茸 薄荷
山鳥茸とはフランスでセップ茸、イタリアではポルチーニ茸と呼ぶものです。薄荷はもちろんミント。
ポルチーニの濃厚なポタージュにマッシュルームの具が加わりなんとも茸の楽園です。
そこにミントのアクセントが利いて一気にかきこんでしまいました💦
最近、茸のクリームソースが食べたいなぁなんて漠然と思っていたのが偶然にも叶いまして至上の悦びでありました。

バゲットは気前よくお代わりさせて戴けました。
どれもこれもソースが美味しくてどれもバゲットで拭って食べていたのでとても足らず、非常に嬉しいサービスです。

●Champagne de Barfontarc Brut Tradition

◆徳島すだち鰤 大根 西洋山葵
徳島すだち鰤の炙りに付け合わせが大根。
鰤大根を再解釈した逸品で何より鰤がブリッブリンで(駄洒落でなく💦)、素材の活きも非常に良いのでしょうがそれだけではない技術を感じます。生姜やブイヨンで煮込んだ大根がこれが鰤大根であったことを思い出させます。グラニテも大根であり、徹底的に鰤大根でありながら鰤大根ではない向こう側に超越しています。
もちろん誉め言葉です。こんな美味いものがあっていいのでしょうか、いやいいです。

●Le Caprice de Clementine Rosé
あーこれにはロゼかー確かにと唸りました。

◆白子 菊芋 白菜
鱈白子のムニエルに 醤油バルサミコレモン果汁のソース。
オニオングラタンスープすき焼き風といった趣きで、すごく複雑で面白い一品でした。
鱈白子のムニエルが抜群の火入れで全体的に食感、味覚のバランスが非常に良い。これも素晴らしいです。

●Terres d'étoiles Pinot Gris Esprit Libre

◆鮮魚 緑花椰菜 玉葱
鮮魚はイトヨリのグリル。ブロッコリーベーコンニンニクブイヨンのソース、玉ねぎのピューレ。
これもソースが美味しすぎてブロッコリー史上最高の美味しさでブロッコリーも幸せでしょう。ソースが美味しすぎて忘れていましたがイトヨリももちろんとってもナイスなグリルです。

●Gini Soave Classico 2021

◆黒毛和牛ネック赤ワイン煮込
付け合わせはペコロス、小玉ねぎ、蕪、安納芋。
ホロホロの牛ネックは柔らかすぎてフォークから落ちてしまうぐらいで「#歯が要らない」です。煮込んで濃厚な味わいで美味しいのですが、そのソースで食べる付け合わせの野菜がまた実に滋味深くて美味しいのですよねぇ。ホックホクで秒殺で食べてしまいました。

●Luigi Pira [2020] Barbera d'Alba Superiore D.O.C. Barbera d’Alba Superiore

◆林檎 珈琲 芭蕉実 スパイス
ベルギーのスペキュロスを砕いたものがかけてあるようで、スパイスはシナモン、生姜、クローヴ、カルダモン、など。リンゴは軽いタルトタタン風。珈琲風味のアイス。
美味しい。珈琲風味好きです。

◆お茶菓子
マカロンとスノーボール。
最後まで抜かりなく、美味しいです。

◆食後のお飲み物
コーヒー、ほうじ茶、エスプレッソ、紅茶、ハーブティーから。
エスプレッソをお願いしました。

コース7皿 \8,300、ワインペアリング(5種) \6,000、アサヒ 熟撰(小瓶) \880で\15,180。
大阪市内で本格的なフレンチの割にはリーズナブルに感じます。

ソムリエの磯口武 氏がとても行き届いたサービスに話も楽しく、どちらかというと寡黙な努力家といった職人肌な梅谷 宜伸シェフといいバランスです。とはいえシェフも色々とお話してくださり、ずっと先を見据えてとても謙虚に努力を重ねられている印象。

大変物腰の柔らかいシェフ、ソムリエがとても心地よい空間を作っておられ、若い方がプロポーズする時にはこちら大変オススメです。
あの方々なら相談すればきっとプロポーズを成功に導いてくれるに違いない。

どれもしっかりとしたフレンチでありながら意欲的なものもあり、愉しさも一層で美味すぎて美味です。
私はもうプロポーズをすることはないでしょうが、何かの折にふれまた定期的に伺いたい。そんなお店にまた逢ってしまって嬉しい悲鳴であります。





ル プログレフレンチ / 渡辺橋駅肥後橋駅北新地駅
昼総合点★★★☆☆ 3.8




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